朝鮮学校「高校無償化」適応の「停止」に対する抗議殺到

2010.12.02 Thursday 00:33
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     朝鮮高校への「無償化適応方針」を停止するという政府対応に批判が殺到しています。
    どうして、日本で暮らす子どもたちに関係あるのか? 本当におかしいと思います。
    以下、これまで出されている「声明」「抗議」文を紹介します。

    1.大学教員からの声明(リンク)

    ◆ 「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書


    ーーーーーー

    2.自由法曹団からの声明(リンク)

    ◆ 改めて、朝鮮学校を「高校無償化」の対象とすることを求める声明


    ーーーーーー

    3.「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会
       要請書 11月29日文科省へ提出

    2010年11月29日
    内閣総理大臣  菅 直人 殿
    文部科学大臣 高木 義明 殿
    「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会

    朝鮮学校への「高校無償化」即時適用を求める要請書
     今年4月に施行された「高校無償化」法から朝鮮学校だけが「一時除外」されている状態が、いまも続いています。これは民主主義の原則に反する重大な差別・人権侵害であり、また戦後ずっとつづいている在日朝鮮人の民族教育への弾圧の一貫であって、許されるべきことではありません。ゆえにわたしたちは、朝鮮学校への一刻も早い「無償化」適用を、文科省および政府にもとめてきました。

     さて、たびかさなる結論引き延ばしはあったものの、文科省は11月5日にようやく、朝鮮学校への適用の審査基準を「正式決定」しました。政府・文部科学省の「教育内容は問わない」という立場は、教育の自由を守る観点からきわめて妥当であり、評価されるべきことです。また、「高校無償化」の外国人学校への適用は、これまで無視され、差別されてきた外国人学校を初めて本格的な国の制度の対象とすることであり、法律と規程に従って朝鮮高校が「高校無償化」の適用を受けるならば、これまでの朝鮮学校に対する差別を改め、すべての人が平等に教育を受ける権利を保障される社会に向けての転換点になります。

     しかしながら、11月24日付け「文部科学大臣談話」は、憶測と仮定に基づいて書かれながら、まるで朝鮮学校が「反日教育をしている」と国が認定しているかのような印象を与えるものであり、国が朝鮮学校を「反日」と公式認定して差別を煽っているも同然です。実際、朝鮮学校が「反日的」などという理由をかかげて、こんどは都道府県などの地方自治体における朝鮮学校への補助金が、一部の排外主義団体や右翼メディアの攻撃対象となっており、それに同調する自治体まで出ています(大阪、東京、神奈川、埼玉など)。こうしたことに、文科省および政府は責任があります。

     しかもこの「正式決定」をくつがえす動きが、早くも出ています。23日におきた大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国との砲撃戦を受けて、高木文科相は24日の記者会見で、「砲撃が与える影響は大きい」と発言し、無償化適用について「外交上の配慮はしない」という当初の方針は変わらないとしながらも「その上で重大な判断が迫られる可能性がある」と見解を述べました(共同通信24日)。仙谷由人官房長官も、現段階では「手続きを停止するのが望ましい」などと発言しています(日経24日)。しかし、「外交上の配慮」をしない方針に変わりがないなら――そして変えないのが当然ですが――この件をうけて判断を変える「可能性」などありえません。
     したがって、わたしたちは日本政府および文部科学省に、以下の通り要請します。


    1.朝鮮学校への「高校無償化」法の適用を、すみやかに最終決定すること。
    2.朝鮮学校の教育内容に対して介入しないこと。
    3.朝鮮学校への適用の審査には「外交上の配慮」を含めないという政府の方針を堅持し、日本政府と朝鮮民主主義人民共和国政府との間にいかなることがあろうとも、朝鮮高校への「高校無償化」適用の手続きを停止したり、これまでの決定を覆したりしないこと。
    4.本来ならば「高校無償化」制度ができた2010年4月までに結論を出しておくべきものを、いまだ結論が出ていないという事態について、また、政府の態度が結果的に朝鮮学校への差別を煽ったことについて、朝鮮学校および生徒と保護者に謝罪すること。

    ーーーーーーーーーーー

    4.朝鮮学校「無償化」適用審査を遅滞なく実施し、
              朝鮮学校にも一日も早い『無償化適用』を求める緊急声明

    本年3月31日に「高校授業料無償化法」が国会で成立し、4月1日から施行されました。この法案は、公立高校の授業料を無料にし、私立学校については公立授業料相当額を支給する制度です。施行から8ヶ月が経過しましたが、いまだに朝鮮学校への適用については判断が先送りされ続け実施に至っていません。

     高木文科大臣は、11月5日、無償化の指定や取り消しにあたって教育内容を問わないとする審査基準を正式に決定しました。朝鮮学校はこの審査基準を満たしていることから、個別の審査を経た上で無償化の適用対象となる見通しとなっていました。

     しかし、菅直人首相は24日、朝鮮民主主義人民共和国軍(北朝鮮軍)による韓国・大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃事件(11月23日)を理由として「私から高木義明文科大臣に『プロセスを停止してほしい』と指示を出した」と発言し、仙谷由人官房長官と高木義明文部科学大臣も「無償化」の適用を見直す考えを示しました。

     北朝鮮軍の砲撃は韓国軍演習への対抗措置であるとしていますがどのような主張であれ絶対に許されるものではありません。事態を拡大することなく直ちに終結するよう強く求めます。同時に、韓国政府に対して、北方境界線(NLL)という極めてセンシティブな地域における挑発的とも言える軍事演習の停止と、朝鮮半島の平和安定へ向けた冷静な対応を求めるものです。

     私たちは、こうした状況であっても政治や外交上の問題に絡めて、日本に住む子どもたちの学ぶ権利について差別的に取り扱うことは許されないと考えます。
     日本政府は国際人権規約を批准していますが、そのうちA規約13条2項b「中等・高等教育の無償化の漸進的導入」について留保し続けてきました。高校無償化は、この「中等・高等教育の無償化の漸進的導入」を実質的に実現しようとしたものだと言えます。また、憲法に規定された「法の下の平等」や教育基本法の「教育の機会均等」を具現化していく上で、たいへん重要な意義をもっています。基本的人権の保障は、日本国内に在留する外国人に対しても等しく及ぶとされているものです。「無償化」の対象から朝鮮学校を除外することは、憲法の理念にも反しています。

     私たち福岡県朝鮮学校を支援する会は、これまで一貫して、全ての子どもたちの学ぶ権利を平等に保障していくために、「高校無償化」がすべての学校で差別なく実施されることを強く求めてきました。私たちは、朝鮮学校にも「無償化適用」を一日も早く実施することを日本政府に強く訴えます。又、朝鮮学校に通う児童・生徒及び在日朝鮮人の方々が誹謗中傷・差別を受けることの無いよう強く求めます。

                        2010年11月26日
                                 福岡県朝鮮学校を支援する会
                            代  表 石村善治  
                               〃   松尾克子
                                                    〃      中村元気
                            事務局長 入江種文

    ーーーーーーーーー
    5.「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知」より
     地域の「オモニ」たちの訴えと「ネットワーク愛知」の声明


    緊急声明
    2010年11月27日

    愛知朝鮮中高級学校教職員一同
    愛知朝鮮中高級学校オモニ会
    愛知朝鮮中高級学校学生委員会
    愛知朝鮮学園理事会

    報道によると、11月24日の閣議後の会見で仙谷由人官房長官は、朝鮮学校の高校授業料無償化について「朝鮮半島が緊張してくる中で現時点では手続きを停止することが望ましい」と言明し、高木義明文部科学大臣も朝鮮半島の緊迫情勢と関連し「朝鮮学校の授業料無償化制度適用についての影響は極めて大きい」としながら「重大な決断をしなければならないかもしれない」と発言したとされています。また、菅直人総理は、みずから文部科学大臣に、「プロセスを停止してほしい」と指示を出したことを明らかにしました。

    私たちは、このような菅総理の指示と仙谷官房長官や高木文科大臣の発言に驚きを禁じえません。
    そもそも「高校無償化」制度の趣旨は、「すべての者に対して教育の機会が与えられるものとする」国際人権規約A規約の理念にもとづき、「すべての意志ある高校生などが安心して勉学に打ち込める社会をつくるために、家庭の教育費負担を軽減すること」にあったはずです。

    また、「外交上の配慮などにより判断するべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」というのが、朝鮮学校生徒への高校無償化制度適用についての審議過程における政府の統一見解であったはずです。

    高木文科大臣自身もこれまで一貫して「政治と教育の問題を混同してはならない」との態度を取ってきましたし、11月5日にみずから発表した談話では「就学支援金は学校に支給されるものではなく、生徒個人個人に対して支給される」としながら、「国籍を問わず、わが国において後期中等教育段階の学びに励んでいる生徒を等しく支援する」ためのものであることを明確にしました。

    私たちは、このような「高校無償化」制度の趣旨や政府の統一見解、文科大臣の公式発言に照らしてみて、なぜ、いまになって、総理と官房長官、文科大臣がみずからをも否定する矛盾に満ちた指示や発言をするのか、到底理解することが出来ません。

    今まで再三にわたり明らかにされてきたように、朝鮮高級学校に通う生徒たちは、朝鮮籍と韓国籍、日本籍をもつ在日の子弟たちであり、彼らは日本に永住しながら民族的素養と誇りをもって日本の地域社会に貢献し国際社会でも活躍できるよう勉学に励んでいます。このような生徒たちとその都度起こりうる朝鮮半島の事態はまったく関係がありません。

    にもかかわらず、今回の朝鮮半島における緊迫情勢を結びつけて、朝鮮高級学校生徒に対する無償化の「手続きを停止」するということは、理不尽極まりないと言わざるを得ません。
    ふりかえれば、私たちは、朝鮮高級学校の無償化問題が提起され始めた二月下旬以来、日本学校や他の外国人学校に通う生徒たちと同様に朝鮮学校生徒たちにも等しく適用することを、日本政府に強く求めてきました。

    その間、多くの与野党の国会議員や全国各地の地方議員の方々、日弁連と地方弁護士会や大学教員をはじめとする教育関係者や詩人などの文化人、報道各社、各界各層の社会団体や市民団体など、多くの日本の人々が支援を寄せてくださいました。

    また、今年開かれた国連人種差別撤廃委員会と子どもの権利条約委員会の日本に対する審査会合では、この問題が取り上げられ複数の委員から憂慮が表明されたうえ、公式的な懸念や勧告も出されました。
    文部科学省関係者の方々も、いく度となく各朝鮮高級学校を訪問し、教育の現状と生徒たちの構成や実態を詳しく把握してきました。

    にもかかわらず、今年の4月に「高校無償化」制度が実施されてから8ヶ月が過ぎようとしている今日に至っても、朝鮮学校生徒だけがその適用を何度も先送りされ、対象から除外れたままになるという深刻な民族差別が続いています。このような事態に私たちの心がどれほど傷ついてきたか分かりません。
    これ以上、私たちの心を傷つけないでください。私たちは、もうこれ以上待てません。

    私たちは一日も早く、日本政府が11月5日に高木文部科学大臣が発表した談話と文部科学省が決定した「外国人学校の指定に関する基準や手続等を定めた規程」にしたがって、朝鮮高級学校生徒に無償化制度を適用することを切に願います。

                    2010年11月27日

    ーーーーーーーーーーーーーー
    6.「ネットワーク愛知」の声明


    内閣総理大臣 菅直人 殿
    文部科学大臣 高木義明 殿 

    朝鮮高校の無償化申請手続停止に抗議する緊急声明

    1 文部科学省は、去る11月5日、本年4月に施行された「高校無償化」の朝鮮学校生徒への適用基準について、教育内容は問わずに、日本の専修学校と同等の基準で制度的・客観的に審査すると決定しました。高木義明文部科学大臣の談話によれば、上記基準は、「すべての意志ある生徒の学びを保障し、家庭の状況にかかわらず、安心して勉学に打ち込める社会をつくる」という無償化法の目的及び学校ではなく生徒個人が支給対象であることを踏まえて決定されたとのことです。政府のこのような判断は、日本の批准する国際人権A規約などの精神に照らして、きわめて妥当なものと評価できます。報道によると、同決定に従い、無償化審査の申請期限が今月30日と定められ、すでに7校の朝鮮学校が申請の意思を伝えていたということです。

    2 ところが、今月23日に起きた大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国との砲撃戦を受けて、管直人内閣総理大臣は24日、文部科学大臣に対し無償化制度の適用プロセスを停止してほしいとの指示を出したことを明らかにしました。同じ日、高木義明文部科学大臣も、政治と教育の問題を混同してはならないとの従来の考えは変わらないとしながら、「朝鮮学校の授業料無償化制度適用についての影響は極めて大きい」、「重大な判断が迫られる可能性がある」として、朝鮮学校の無償化申請を受理しない可能性を示唆しました。

    3 しかし、日本で生まれ、日本に永住する在日4世、5世の生徒たちと、今回の朝鮮半島における砲撃戦に何ら関わりがないことは事理明白です。それにもかかわらず、今回の砲撃戦と朝鮮学校の生徒たちを結びつけて、政府が、自ら決定した無償化プロセスに反する行動をとることは、無償化は「外交上の配慮などにより判断するべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」という政府統一見解を自ら覆す暴挙に他ならず、平等な教育機会の保障という無償化法の趣旨すら没却しかねないものです。

    4 無償化プロセス停止の理由については、国民の税金を使うことに国民の理解が得られるか、プロセスを止めて検討するためとの報道がなされています。しかし、政府は、朝鮮学校への適用基準を、教育制度の専門家による検討会議や、与党民主党の政策調査会における検討などを経て決定しているところ、当時から大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が休戦状態の国家であって、今回のごとき紛争が起こりうることは公知の事実でした。よって、政府としては当然に、上記検討プロセスにおいて、その事実を踏まえて、教育問題について外交問題は考慮しないとの結論に達したはずです。仮にそのような可能性を全く考慮していなかったとすれば、それはあまりに軽はずみな責任のない態度であり、政治と教育の問題を混同しないとの行動理念は、建前に過ぎなかったと受け止めざるをえません。

    5 過去、朝鮮半島情勢が緊張するたびに、朝鮮学校生徒への市民による暴行、脅迫事件が繰り返された歴史的事実があります。しかし、今回の無償化プロセス停止は、市民への人権侵害を防止すべき立場にある政府自ら、率先して外交問題と特定民族学校の生徒を結びつける差別行為を容認したことを意味します。私たちは、このように悪質な差別的措置に対して断固抗議します。

    6 私たち「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知」は、朝鮮学校にも差別なく高校無償化が適用されることを求めて、愛知朝鮮高級学校の生徒たちと共に署名活動、街頭宣伝、学習会、無償化要請活動などを行ってきました。ある生徒は「日本は僕たちが生まれ育った大切な国。日本が子どもを差別する国であってほしくない」と無償化への思いを訴えました。日本の地で真剣に学んでいる朝鮮学校の生徒らを、他の外国人学校の生徒と区別する除外措置は、国連人種差別撤廃員会も認める人権侵害であり、即刻無償化が適用されるべきです。ましてや、生徒らとは何の関係もない外交上の問題により、あからさまに生徒らを差別することが許される理由はどこにもありません。

    7 よって、私たちは、政府及び文部科学省に対し、朝鮮学校への無償化プロセス停止を即時撤回し、文部科学省が定めた朝鮮学校への無償化適用基準に従い、すみやかに朝鮮学校生徒への「無償化法」適用を最終決定することを強く求めます。

    「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知」

    (呼びかけ人)

    飯島滋明(名古屋学院大学准教授)磯貝治良(作家・在日朝鮮人作家を読む会)内河惠一(弁護士)小野政美(愛知県公立小学校教員)河田昌東(四日市大学教員)金癸任(東春朝鮮初学校オモニ会会長)金伸治(愛知朝鮮中高級学校校長)権順子(豊橋朝鮮初級学校オモニ会会長)申香淑(名古屋朝鮮初級学校オモニ会会長)竹内宏一(日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会事務局長)寺尾光身(名古屋工業大学名誉教授)原科浩(大同大学教授)久田光政(東海高校教員)羮眄弌別掌轍姐業大学教授)飜清漫癖杆郢痢傍玉禮(愛知朝鮮中高級学校オモニ会会長)松井妙子(愛知県青年団協議会事務局長)水田洋(名古屋大学名誉教授)李博之(愛知朝鮮学園理事長)安川寿之輔(名古屋大学名誉教授)山本かほり(愛知県立大学准教授)李直美(愛知朝鮮第7初級学校オモニ会会長)林重彦(愛知朝鮮中高級学校教育会会長)

    ■連絡先 〒462−0819 名古屋市北区平安2丁目1−10第5水光ビル3階 弁護士法人名古屋北法律事務所 弁護士飜清
    ■TEL052-910-7721■FAX052-910-7727■メールbae@kita-houritsu.com








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